9月11日という、象徴的な日。表参道FABにて行われた衝撃のLIVE。
拓希による初のワンマンライブは、まるで舞台劇のようなセットが組まれた空間で幕を開けた。
…舞台は闇から始まる。
2200年……荒廃した世界。戦争による惨劇。
人は何故争わなくてはならないのか。
真の闇に浮かび上がる一つの希望。
…漆黒のステージに、全体に黒色を纏い、舞い降りた拓希。
まばゆい光と共に『Flower Of Revolution』が始まった。
妖艶に踊る美女達。ポップで明るい曲調に希望が重なる。
彼の出現は世界に何を与えるのであろうか。
舞台は暗転し、一点して激しいダンスパフォーマンスが始まった。
繁雑なノイズでさえもメッセージにかわる。
ステージの両端に立つ2人の人物が、吐き出すように独白を繰り返す。
「我らの信じるものは絶対。
Live information Hiroki one man live
omotesando FAB
我らの真理を侵すものは……敵…………死を与えよ」
なぜ争わねばならないのか?
手にしたライトで観客を照らす拓希。
メッセージは会場にこだまする。
パフォーマンス全体を通じて、痛い程に伝わる
「本当の平和」へのメッセージ。
拓希特有の物語性を帯びたエンターテイメントに会場全体が圧倒されていた。
そして『fly』が始まり、神秘的な空気が会場に充満する。
曲が終わると再び舞台には混沌が生まれた。
感性が暴走したようなTRACKが走り抜ける。
美しかった過去に還りたい。爆発音の鳴り響く中、
女達によって全身に無数のプラグを刺されるという衝撃の中、ぐったりと椅子に座り込む拓希。
一瞬の静寂と共に脳裏には美しい光景が広がる……!
しんと静まり返った会場の中、『Butterfly』が流れ始め、幻想的な空間に包まれる。
そして闇。荘厳なクラシックが鳴り響く中、
舞台の両端に立つ2人の人物が叫ぶ。
「僕たちは迷っていた!どこに進めば良いのか?」
「僕らは守りたかっただけだった……なぜ争い始めたのか!?
もう最初の理由は誰も覚えていない」
「ただ、今は、息をしているかのように……銃を向けていた」
そして、ステージではペインティングアート、
舞踏によるパフォーマンスが次々と繰り広げられる。
めまぐるしく展開する、様々な表現によるパフォーマンス。
これは既に、単純な“ライブ”の域を超えた、
ひとつの表現としての総合芸術だ。
何故、争うのか? 何故、憎むのか?
平和と真実はどこにあるのか。
自分の存在の為に争う悲しい人間達。
「人間はそんなに悲しいものなのかい?」
拓希のメッセージが胸に響き渡る。
そしてすべての争いは終わり、つかの間の平和が訪れる。
エンディングの曲ヘと続き物語は核心を抉る。
力を使い果たし倒れる拓希……。
……舞台は結末を迎えたように思えたが、万雷の拍手の中再び登場し、アンコールに答える拓希。
『shiny shiner』で共に手拍子をとり、盛り上がる場内。
そして締めくくりは新曲の『Hands Up 』のお披露目! LIVEの魅力は最高潮に達した。
強いメッセージ性を提示しつつも、見る者を魅了してやまないエンターテイメント性を強くもった拓希のステージ。
荒んだ世の中にひとすじの光を与えてくれた。